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伎 楽

伎楽は『日本書紀』の推古天皇二十年(西暦612)の記事に、百済の味摩之が大和の桜井に少年を集めて伎楽を伝習せしめるとある。雅楽の主流となる唐楽よ り百年近く早く我が国へ伝えられてきた芸能であり、「クレノウタマイ」の名の如く人々のよき娯楽として受容されていた。しかし、時代の流れとともに新しい 大陸文化の伝来と、その日本文化の過程の中から、次第に伎楽は多くの影響を周辺の芸能に与えながら、その姿を歴史の中から消していった。

昭和55年、東大寺落慶法要を機に、その一部が復元され、私ども雅楽部はこの伎楽を演ずる栄に浴した。この復元にあたっては、元宮内庁楽部楽師で国立音 大客員教授である芝祐靖(復曲)、今は亡き、NHKの堀田謹吾(企画)、元宮内庁楽部楽長であり小野雅楽会会長であった東儀和太郎(振り付け)、東京芸術 大学教授の小泉文夫(監修)、並びに、大阪芸術大学教授であった吉岡常雄(装束制作)の各先生方のなみなみならぬ努力が傾注され現実した。

私ども雅楽部は、その後『教訓抄』記載の伎楽の復元試作を続け、復曲には芝祐靖先生のご好意を忝うしている。これまで「行道乱声」「獅子・曲子」「呉 公・呉女」「迦楼羅」「崑崙」「婆羅門」「金剛・力士」「太孤」の曲をお作り頂き、平成2年「酔胡」の復曲により、文献に表れている伎楽曲が一通り揃うこ とになった。この場を借りて、あたらめて先生に深甚の感謝の意を表すものである。尚、平成4年からは、薬師寺の依頼を受け、創作伎楽『三蔵法師』にも取り 組んでいる。

1990年10月15日ボス トン美術館東洋部門開設百周年のオープニングに伎楽を演じました

2011年9月12日 奈良時代の伎楽面「カルラ」を所有するフランス国立ギメ東洋美術館にて 伎楽「カルラ」をワークショップにて披露することになりました。