7月5日早朝、天理を出発、関空よりフランクフルト経由でバルセロナに入り、国内便 でサンチャゴ・デ・コンポスステラに着いたのは、時差のある現地時間ですら翌日未明で あった。サンチャゴ・デ・コンポスステラでの公演と、宿泊・輸送などの一切を、手配し て下さった、パブロ・サンペドロさんと、世話取りのために現地で待っていて下さったス ペイン語学科のロドリゲス教授と江利子夫人ご夫妻の出迎えを受け、大学宿舎で慌ただし く旅装をといた。宿舎から町の中心部までは、歩いて15分位のところにあった。中心は、 サンチャゴ、つまり聖ヤコブゆかりの聖堂が建っているところである。9世紀に使徒ヤコ ブの遺骸(といわれている)が発見され、ルフォンソ2世によって聖堂が建てられた。そ れ以来、スペインのみならず、ヨーロッパ各地から巡礼者が訪れるようになったのである。
現在の聖堂は、11世紀後半〜12世紀前半に再建されたもので、ロマネスク様式の威容を 誇っている。

 ヨーロッパの都市はどこでもそうだが、聖堂の前が方形の広場となっており、聖堂に対 峙して市庁舎、間の両端は、聖堂から向かって右がホテル(巡礼者用の宿舎であったが、 現在は5つ星のホテル)、左は、大学の学長公邸である。公邸から先に歩を進めると、大 学の学部や図書館などの建物が続いている。その一角に、今回の演奏会場である、サロン 劇場がある。
 夕刻、演奏会場入り、舞台の設営、照明の打ち合わせを行い。夜8時半の開演を待つ。 入場希望者が会場をはみ出し、道路に長蛇の列ができ、300弱の小さなホールであるが、 入場に時間がかかって、20分ほど遅らせての開演となる。海外公演定番の管絃「越殿楽」 「陪臚」、催馬楽「更衣」舞楽「納曾利」「太平楽」と進み、最後は、アンコールの「抜頭」である。日本雅楽会のドイツ、フランス公演から戻って参加してくれたOBの岡庭健さん同様、ドイツのケルン大学における雅楽の講義を終えて合流してくれた舞人の土井幸宏さんが、舞の途中で面を外し、サンチャゴ・デ・コンポステラ大学の文化交流担当の副学長であるマル・ロレンソ・モレドさんに渡すと、満場割れんばかりの拍手に包まれた。
その夜は、大学主催の打ち上げとなり、海産物をふんだんに使った郷土料理と、スペインご自慢のワインがたっぷりふるまわれた。

 

next>>

海外TOPTOP